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[FBアーカイブ] イトウさんのちょっとためになる農業情報『マルチ』 #2



※こちらの記事はアグリノート公式Facebookページに掲載した連載記事を、
アーカイブとして転載したものです。

 

【2017/6/1更新:第二回】

こんにちは。アグリノートサポートチームです。

先週よりスタートしました、
元普及指導員・イトウさんによる “ちょっとためになる農業情報” 。
本日は 『マルチ』(全3回)の第2回をお届けします。

ひとくちにマルチと言ってもいろいろな色がありますよね。
そんな「色」のお話しです。

 

プラスチックマルチの種類と特徴

前回はプラスチックマルチについて一般的な特徴を説明しました。
マルチを買いに行ってみると、黒いマルチの他に透明や緑、
場合によっては白いマルチもあることに気づくのではないでしょうか。

プラスチックマルチは色によって特性が違います。
どんなマルチがどんな特性をもっているのか確認していきましょう。

 

■■ 黒マルチ

黒色のマルチは光を遮る能力が高いため、雑草を抑える効果が優れています。
地温上昇効果も期待できますが、光を透過するマルチに比べるとやや劣ります。
これはマルチ自体が温まり、一部の熱が逃げてしまうことが影響しています。
熱を地面に伝えるためには、畝面に密着するようにピンと張ることがポイントです。
ゆるみがあると風で煽られて剥がれる原因にもなりますから、これはマルチの種類に限ったことではありません。

黒マルチイメージ

 

■■ 透明マルチ

透明のマルチは主に地温を上昇させる目的で使用します。
太陽光が地面に届くことに加えて、気化熱による地温の低下も防ぐので、
一般的には最も高い地温上昇効果が得られます。
しかし、雑草を抑える効果は期待できません。
時期によっては昇温効果によってかえって発芽が促される場合もあります。
雑草の種子が多いような場合には、事前に除草剤を処理しておくなどの対策が必要になるかもしれません。

 

■■ 緑色マルチ

緑色のマルチは黒マルチと透明マルチの両方の特性を備えています。
つまり、植物が利用しにくい緑色の光で地温を上昇させつつ、
雑草種子は発芽させない、という効果を狙っています。
植物は緑色の光を全く利用できないわけではないので、
効果は黒マルチと透明マルチの中間くらいと考えておきましょう。
より高い効果を狙って特定の波長だけを透過するようにした製品も売られています。

緑マルチイメージ

 

■■ シルバーマルチ

アブラムシなど一部の害虫は反射光を嫌う性質を持っています。
これらの害虫による被害はシルバーマルチにより軽減することができます。
光は反射しますが、蒸発を抑えるので無被覆よりは多少地温が高くなります。
製品にもよりますが、完全に光を遮るわけではないので抑草効果はやや劣ります。
時期や作目によっては反射光による光合成促進や果実の着色向上なども狙える場合があります。

シルバーマルチイメージ

 

■■ 白マルチ

白マルチの特性は概ねシルバーマルチと同じですが、
シルバーマルチよりも光を多く通してしまうので雑草を十分に抑制できません。
そのため、反射率が特に高い不織布製のものなどを除いて、ただの白マルチというのは流通していません。
その代わりに、黒マルチを裏打ちした白黒マルチが使用されています。

白マルチイメージ

 

■■ 白黒・銀黒マルチ

白マルチの裏面を黒マルチとすることで、表面で光を反射しつつ、
透過光は黒面で吸収し、地温上昇抑制効果と防草効果の両方が得られます。
表面がシルバーの銀黒マルチも流通しています。
特に夏場に向いているマルチと言えます。

今回紹介した以外にも様々な色や素材のマルチがありますが、
基本的な特性を押さえておけば選択の目安になるはずです。

 

次回は、具体的にどのような場合に、どのようなマルチを選択すべきかを紹介していきます。