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イトウさんのちょっとためになる農業情報『耕種的防除法-作付改善と抵抗性品種-』

※こちらの記事はアグリノート公式Facebookページに掲載した連載記事を、アーカイブとして転載したものです。

【2017/9/7更新:第十四回】

こんにちは。アグリノートサポートチームです。

コラム連載14回目の本日は、先週から引き続き耕種的防除法についてです。

 

病気に対する耕種的防除 – 作付けの改善と抵抗性品種の利用

今回は耕種的防除の具体的な方法をみていきましょう。

 

作付けや作型の改善

病気には発生しやすい温度や植物体の生育ステージがあります。そこで、そのタイミングを外すように栽培時期を変更することで病気の発生を抑えられる場合があります。例えばトマトの青枯病菌は高温を好みますから、高温期を避ける作型を選択できれば被害を軽減できます。それが無理であれば、土壌消毒など他の防除法を選択する必要性が出てきます。防除においてはその作型、栽培法、販売方針等に応じた適切な手段を選択することも大切です。

また、同一の作物の連作を続けると土壌病害の病原菌密度が徐々に高まり、被害が深刻になる場合があります。連作障害の主な原因は土壌病害です。そこで、異なる作物を組み合わせて輪作することで、病原菌の密度上昇を抑制し、病害発生を抑えるといった方法もあります。この場合は共通の病害がない作物を組み合わせることが重要です。

 

病気に対する耕種的防除法 – 抵抗性品種の利用

手軽で効果の高い耕種的防除法が抵抗性品種の利用です。抵抗性品種を利用することで特定の病気が出にくくなります。

抵抗性品種を利用する際の注意点は、抵抗性を過信しすぎないことです。抵抗性の機構にもよりますが、少数の遺伝子によってもたらされている抵抗性(真正抵抗性)は、強い抵抗性を示す反面、抵抗性を打ち破る病原菌の系統(レース)が出現するリスクをはらんでいます。したがって、例えばウイルス病に対する抵抗性の品種を利用していても、ウイルスを媒介する害虫の防除は通常の品種と同じように行うことが大切です。

抵抗性品種は様々な種苗メーカーから多種多様なものが作出されていますので、問題となっている病気に抵抗性を持つ品種があれば利用を検討してみると良いでしょう。ただし、一般的には抵抗性を多く有する品種ほど高価になります。また、同じ名前が付いた品種であっても、抵抗性の有無で若干品質が異なる場合もあります。品種選定一般に言えることですが、新しい品種の導入に当たってはコストと品質面からの検討を忘れず行うようにしましょう。

 

耐病性と抵抗性

病気に対して強い作物品種は「耐病性品種」や「抵抗性品種」と呼ばれています。実はこの言葉の間には違いがあります。

抵抗性品種は病気の感染自体に対して強さがあり、病気になりにくい品種を指します。
耐病性品種は感染自体は成立する場合がありますが、病徴(病気の症状)が出なかったり、出ても実質的な被害が生じない品種を指します。

病気に対する強さは「抵抗性 > 耐病性」です。ただし、抵抗性と耐病性の境界は必ずしも明確に設定できるものではありません。メーカーによっては抵抗性という表記に統一している場合もありますし、メーカーが異なる場合には、文言だけでは比較することは困難です。あくまで目安の一つと考えましょう。

耐病性品種の種