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[FBアーカイブ] イトウさんのちょっとためになる農業情報『農薬使用上の作物名について』



※こちらの記事はアグリノート公式Facebookページに掲載した連載記事を、
アーカイブとして転載したものです。

【2017/8/3更新:第十回】

こんにちは。アグリノートサポートチームです。

コラム連載記念すべき10回目の本日は、
元普及指導員・イトウさんの“ちょっとためになる農業情報” 『農薬使用上の作物名について』をお届けします。

 

農薬と使用できる作物

農薬を使用する前にはきちんとラベルの内容を確認していますか?

農薬のラベルにはその農薬の使用方法や使用することができる作物名が書いてあります。
農薬を安全に使用するにあたってはラベルの記載を守る必要がありますが、ラベルに記載されている作物名は「適用作物名」といって、一般的な流通名と違う名前だったり、生物学的な分類と一致しなかったりする場合があるので注意が必要です。

 

適用作物名にそのまま作物名が表示されている例

適用作物名に「トマト」や「なす」などの記載があれば、その作物にその農薬を使うことができます。
もっと細かく品種名が書いてある場合もありますが、その場合はその品種にしか使うことはできません。
ただし、ここに記載されている作物名は必ずしも一般的な流通名と一致するわけではありません。
特に間違えやすいものをいくつか見てみましょう。

 

■■「トマト」 と 「ミニトマト」

「ミニトマト」は果実の直径が3cm以下のものを指し、それより大きなものが「トマト」になります。
直径の小さなものの方が、体積に対する表面積が大きく、農薬の残留量が多くなる傾向があるため大きさによる区分けがされています。

トマトの分類はサイズで決まる

 

■■「とうもろこし(子実)」 と 「未成熟とうもろこし」 と 「ヤングコーン」

完全に成熟したとうもろこしが「とうもろこし(子実)」です。いわゆるスイートコーンは「未成熟とうもろこし」です。
「ヤングコーン」はベビーコーンとも呼ばれるもので、さらに未熟な幼果(雌穂)を収穫するものです。

トウモロコシの分類難しすぎ

 

作物群が表示されているもの

作物名ではなく、「野菜類」のように、いくつかの作物をまとめて示す作物グループが記載されている場合もあります。
この場合はそのグループに入る作物であれば農薬を使用できます。
なお現在は果樹のみ「グループ」ではなく「作物群」という呼び方がされていますが、概念としては同様です。
作物グループは大中小と階層構造になっており、上位のグループほど広い範囲を含みます。

例えば「もも」は小分類「もも類」に含まれており、「もも類」は中分類「核果類」に含まれており、「核果類」は大分類「果樹類」に含まれています。
従って、「もも」に対しては「もも」「もも類」「核果類」「果樹類」のいずれかの登録を持つ農薬ならば使用可能です。
また、必ずしも大中小の分類に属さないグループも一部あるので注意しましょう。

作目郡の階層構造

※例)「野ソ(野鼠)あるいはモグラが加害する農作物等」など
なお生物学的に同一の農作物であっても、利用部位や利用方法によって作物群が異なる場合があります。
例えば前述のとうもろこしを例に上げると、次のような違いがあります。

● とうもろこし(子実) ・・・中グループ:とうもろこし|大グループ:雑穀類
●未成熟とうもろこし   ・・・中グループ:とうもろこし|大グループ:雑穀類
●ヤングコーン      ・・・中グループ:なし|大グループ:野菜類

このように、利用方法が違うだけで大グループまで変わってしまいます。
大グループは一般的なイメージで判断すると間違えやすいものがあるので注意しましょう。
例えばつまものや洋菓子などに使われるエディブルフラワ(食べられる花)の多くや、食用にする樹木の葉(さくら等)は大グループが野菜類になっています。
また、どの上位グループにも属していない「茶」のような作物も多くあります。
農薬登録上の作物分類については、独立行政法人農林水産消費安全技術センターのWebサイト(下記参照)で確認することができますので、ラベルとあわせて参考にしてください。

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≪ 参考 ≫
農薬登録における適用作物名について|独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)
http://www.acis.famic.go.jp/shinsei/sakumotuhyou.htm