圃場ごと、作業項目ごとにかかった作業時間の見える化を実現。今後は生産管理に活用したい。
新潟県長岡市吉乃川農産株式会社
この事例のポイント!
- 広範囲に点在する圃場をメンバー間で把握
- 作業時間を集計し、圃場別・作業項目別の所要時間を見える化
- 経営視点でアグリノートを利活用
経営の視点で、生産管理にアグリノートを活用
創業1548年、新潟の代表的な日本酒の蔵元である吉乃川株式会社。先代社長の「高品質な(栽培が)見える米を作っていきたい」との想いから、平成28年4月に農産部を設立し、酒米等の自社生産を開始しました。
圃場の位置や各圃場の作業時間の実態を把握するために、アグリノートを使い始めて約一年。農産部長(インタビュー当時)の甲野様は、これまで清酒製造の設備や資材の管理を担当されていた経験から、アグリノートに記録をつけることで得たデータを活用し、経営視点での生産活動の改善や効率化を進めていきたいと考えています。
まずは圃場の位置の把握と、作業状況の共有から
– アグリノートを導入したきっかけをお聞かせください。
「まず圃場をきちんと把握したかったことが挙げられます。私たちの圃場は長岡から小千谷(県内広域)にかけて点在していて、すべてが賃借契約なので、それぞれの圃場がどこにあるかを把握できていませんでした。また点在する各圃場での作業状況を、メンバーに共有したかったというのも理由のひとつです。」
– 実際にアグリノートを使ってみていかがでしたか?
「点在する圃場をマップ上に登録して全体が見えるようになったことで、圃場の位置を把握できました。またメンバー全員がタブレット端末を持っているので、各圃場での作業状況をリアルタイムに確認して、共有できています。また、アグリノートでは作物の品種別に管理する圃場を色分けできるので、この圃場ではこの品種を作っている、というのが一目でわかり、大変使いやすいです。」
圃場ごとの作業時間を把握して分析
– アグリノートで記録したデータから、圃場ごとの作業時間を「見える化」したそうですね。
「農産部の設立にあたり、会社からは経営視点で生産活動を管理してほしいと言われていました。そのため一番知りたかったのは、圃場ごとの作業時間です。そこで、アグリノートで記録したデータをエクセルでダウンロードし、圃場ごと、作業内容ごと、時期ごとの作業時間など、それぞれを表にまとめて「見える化」しました。
農林水産省が公開している経営指標データと比較してみると、うちは標準値に比べて作業時間が多くかかっていましたね(笑)。私たちは、収穫量より品質を大切にしていますので、丁寧な仕事ぶりが数字に表れていると、良い意味合いで捉えています。」
見える化した作業時間を活用して、生産計画の作成も
– 作業時間の見える化を実現し、今後はどのようにアグリノートを活用していきたいとお考えですか。
「農産部の生産法人化を予定(2018年10月に法人化。現:吉野川農産株式会社)しており、それに向けて、経営視点での生産管理(作業の改善・効率化)を進めていきたいと考えています。アグリノートを使うことで農作業の実態が見えるようになったことが、そのスタートだと思っています。アグリノートに記録をつけてきたことで、どの圃場、どの作業、どの時期にどれだけ作業時間がかかっているか、がわかりました。今後はこれに基づいた作業計画を作成していきたいですね。」