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トップページ 導入事例 TOPページ掲載 作業状況の把握が容易になり事務作業が低減。アグリノートを通じて、地域のお茶農家全体の働き方に自由度が生まれてほしいです。

作業状況の把握が容易になり事務作業が低減。アグリノートを通じて、地域のお茶農家全体の働き方に自由度が生まれてほしいです。

鹿児島県南九州市有限会社小磯製茶

この事例のポイント!

  • 鹿児島県茶市場専用の履歴開示システムとの連携で運用効率が向上
  • 農薬使用履歴のチェックが容易になり、収穫適期の見きわめが可能に
  • 状況・進捗確認の手間が減り、事務作業時間を大幅短縮

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手書きのメモから記録データの管理へ。農薬の使用管理から収穫適期の見きわめも容易に

鹿児島県を代表するブランド茶「知覧茶」の産地として知られる南九州市。市内の山間地でお茶の栽培・生産を手掛ける小磯製茶様は、アグリノート歴約4年で地域のお茶生産者の記録管理も任されているベテラン農家さんです。
お茶の栽培・出荷における生産履歴管理の効率化を目標にスタートした南九州市の実証事業において、一生産者として、また地域のお茶生産者から加工・出荷を請け負う立場として参画した小磯製茶様が、アグリノートをはじめてどのような変化があったのか、さらに実証事業の目標に対する感触などを代表の小磯 雅一さんにお伺いしました。

地域システムとの連携で農作業以外の手間が半減したことを実感

– 遡ってのお話しになりますが、あらためてアグリノートをはじめられた経緯からお話しいただけますか。

「アグリノートを使い始めたのは、3~4年ほど前に南九州市が茶業のスマート化を目的とした事業を立ち上げ、そのモニター生産者として参画したところからです。それ以前にも、当時の南九州市茶業課の担当の方とスマート農業の話をした際に、コスト面でもアグリノートが良いと薦められていました。」

– 実証事業では、効率的な生産履歴管理として、お茶の履歴開示システム『茶れきくん(※参考)』とアグリノートのデータ連携と、GAP認証への対応が目標課題とされていました。アグリノートでの管理に移行したことでどのような変化がありましたか?

 

※参考※ 茶れきくん
鹿児島県茶市場で運用されている茶生産履歴開示システム。お茶の市場出荷時に必要とされる、農薬の使用履歴を入力し、データ管理を行う。

 

「実証事業開始の頃は、ちょうどGAP認証の対応に向け作業履歴の作成に追われはじめた時期でもあったので、従来の紙での管理とアグリノートの平行管理からスタートしました。スマホでぽんぽん記録できるのはとてもメリットで、現場で簡単に記録できて進捗もリアルタイムで確認できます。紙での記録は徐々に減り、現在はアグリノートのみの運用になり、スタッフの手間も半減しました。」

– 手間が半減したと実感していただけているのは私たちも嬉しいです。

koisoseicha_image01「管理者としてはスタッフの手書きの生産履歴台帳を見て『茶れきくん』に栽培履歴を入力するのがかなりの手間でした。台帳の書き方も人それぞれですから、作業員に個別に作業の進行具合を確認するのも大変で。紙とシステムの二重管理でしたね。」

– 二重管理の必要がなくなったのは大きいですね。

「そうですね。『茶れきくん』とアグリノートが連携したことでアグリノートに登録した作業記録から必要な内容がそのまま『茶れきくん』に適用されます。記録はアグリノートに一本化され作業履歴もすぐに確認できるので、進行具合をスタッフに確認する手間もなくなりました。事務作業全般が軽減されたと実感しています。
『茶れきくん』は鹿児島のお茶の出荷には必須なシステムなので、この実証事業(機能連携)が鹿児島全域のお茶農家さんに価値を提供できるものになったと思います。」

自身で作った管理方法とアグリノートの管理をうまく併用し、状況を的確に把握・判断する

– 記録をアグリノートに一本化された現在の管理運用はどのように行われていますか?

「毎日の作業記録はスタッフがそれぞれスマホアプリで入力しています。それを私がパソコンから確認して、必要に応じて詳細を確認する流れです。管理としては作業履歴のなかでも特に農薬の使用履歴のチェックを中心に行っています。」

– 作業指示や情報共有、作業の計画などはどのようにされていますか?

「作業計画は以前からExcelで作成していて、スタッフには茶期ごとに印刷して配布しています。長らくこの方法でやってきて慣れているので、計画と指示は引き続きこの方法でやっています。情報共有という点では、アグリノートに記録が蓄積されているのを皆見られるので、アグリノートを通して共有できつつあると思いますね。」

– アグリノートを操作する際、よく見る画面、使う機能は何ですか?

koisoseicha_image02「カレンダー画面で作業全体の把握をして、進捗画面で作業の漏れ抜けの把握と、次の作業指示をしています。
特に農薬の使用履歴をチェックしやすいのがとても便利です。Excelで作成している計画に農薬の使用タイミングを入れていて、それに沿って作業を実施して記録をつけているので、収穫適期と想定した時期がきたら進捗画面で答え合わせをします。アグリノートで収穫前日数を把握して、収穫実施日を決めています。

集約管理者として、記録の確認・管理・共有をよりスムーズに行いたい

– 実証事業においては、お茶の加工・出荷を請け負われている生産者の方々の記録の管理もされていますね。

「はい。実証事業に参画されているお茶農家さんは皆アグリノートに記録をつけているので、私が加工と出荷を請け負っている契約農家さんについては、納品されたときの計量をもとに収穫記録をつけて、以降出荷までの記録の確認と出荷管理をしています。現在20件のお茶農家さんを抱えているので、契約農家さんの作業進捗をもっと簡単に共有できたら嬉しいですね。将来的には農家さん別、全体の品種別などで記録の確認ができるのが理想です。」

 

– 大変参考になります。それでは今後はどのようにアグリノートを使っていきたいとお考えですか。

「近々ではGAP認証の継続審査への対応に活用する予定です。圃場マップで圃場位置は把握できていますし、生産履歴もデータで提出できるので問題ないと想定しています。
長い展望では、個人としてというより周辺の農家さんに、アグリノートをはじめとしたツールをうまく使って事務作業などの手間をなくしてほしいと思っています。お茶農家さんの働き方に自由度が生まれたら良いなと思いますね。」

– 最後に、アグリノートへのご意見・ご要望をお聞かせください。

「在庫管理機能が欲しいですね。GAPの審査の観点では在庫管理機能が重要になります。また、農家さん全般、日常的にパソコンを開くことがあまりないので、パソコンブラウザ版の管理機能を操作するのは難しいです。スマホアプリで完結できるのが望ましいと思います。」

– 貴重なご意見をありがとうございます。本日はお時間をいただきありがとうございました!

(取材:2021年6月10日)

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