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トップページ 導入事例 TOPページ掲載 収益減の打開に向けて作業記録のつけ方から改善。記録をデータで見るようになって、作業の意識が変わりました。

収益減の打開に向けて作業記録のつけ方から改善。記録をデータで見るようになって、作業の意識が変わりました。

広島県山県郡合同会社 穴ファームOKI

この事例のポイント!

  • 1つの作付を年6回転栽培。作付名を工夫し明確に管理
  • 記録データを検証して収益ダウンの原因を分析。改善の目標値を設定
  • 作業時間と収量の分析をもとに、効率化・収益アップを実現

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作付の設定を工夫して複数回転でも難なく管理。記録データを分析し、作業改善から経営改善に繋げた経緯を探る!

広島県西部を流れる清流・太田川。その支流沿いの自然豊かな山あいの地域で、穴ファームOKI様はほうれん草、トウモロコシを中心に野菜を栽培されています。「1種の作付(品目)を6回転で栽培している」とお伺いしたことから、作付の設定から日々の記録づけ、さらに記録の確認・管理をどのようにされているのか、サポートする側の私たちも興味津々に取材をお願いしました。代表の沖 貴雄様と、地域の指導員として記録の検証を担う、広島県西部農業技術指導所・井脇 吉淳様にも同席いただき、記録の管理と利活用の取り組みについてお話を伺いました。

記録を続けられているのはなぜ?とよく聞かれますが、もう癖になっていますし、振り返られる記録があることに安心感があります。

– あらためて取材を快諾いただきありがとうございます。野菜農家さんから、管理しやすい作付の設定方法について個別にご相談をいただくことも多いので、沖さんの運用スタイルを拝見できるのを楽しみにしていました。

沖さん: 「アグリノートは園芸だと使いにくいでしょ?と言われることがありますが、そう感じたことはないんですよね。」

– ありがとうございます。作付管理についてはのちほど詳しくお伺いするとして、アグリノートをはじめられた経緯からお聞かせいただけますか。

沖さん: 「アグリノートを知ったのは3年ほど前です。1月の農閑期に指導所(広島県西部農業技術指導所)に行った際、当時の担当者からアグリノートの営業の方を紹介されました。その頃は井関農機のトラクターと連携できるという理由で他社の管理ツールを使用していましたが、アグリノートも連携できると聞いて切り替えました。」

– 管理ツール(システム)の利用経験がおありだったんですね。

OKI_image01沖さん: 「そうですね。農業大学校出身なので、作業記録をつけることは習慣化しています。でも手書きで記録していたときは、『何時間作業したか』すらすぐに答えられませんでした。
以前使用していたシステムは、記録をつけることは問題ありませんでしたが、記録の確認に不便さを感じていました。アグリノートではアプリでいつでも確認できますし、現在地がすぐにわかるのがいいですね。そこから作業する圃場を判断できます。」

作付名の工夫により複数回転でも問題なし!作業期間を設定してストレスフリーな管理を実践

– それでは、同じ作物を複数回転栽培するにあたり、どのようなルールで設定・管理されているのでしょうか。

沖さん: 「作付は、6回転する品種の場合6件登録していて、作付名で何回転目かわかるようにしています。
ほうれん草のように6回転作るものだと、年間の登録作付数は圃場の6倍になります。どんどん作付が増えるので大変ですが、作付の設定は、1つ作ったらコピーできますし、作付ごとに作業期間を設定しておけばストレスにはなりません。

 


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– 作業期間を設定すると表示を絞り込めるので、モバイルアプリからの記録作成もスムーズになると思います。同じようなサイクルで栽培されている方にはとても参考になりますね。

状態を改善するには、まず記録のつけ方の見直しから。データとして検証できる記録を残すことからはじめました。

– それでは、アグリノートの導入により、それ以前の課題は改善されましたか?

沖さん: 「実は一時期売上が低下し、右肩下がりが続いたことがあって、なんとかしないと!と井脇さんに相談したんです。そこで、まずは作業内容を検証して改善策を立てられるように、きっちり記録をつけることにしました。」

– 記録の精度を高めてデータとして活用できるようにした、ということですね。

井脇さん: 「記録が飛び飛びだったり不揃いでは、分析する前の処理が大変ですし、記録することのメリットが減ってしまいます。きちんとした記録があれば、データとして分析できて結果を活用できますよね。

沖さん: 「井脇さんに記録データを出力して分析してもらって、見えてきた課題の改善のために目標値を設定して、作業に取り組むようにしました。」

– 目標値を設定した取り組みを進めたことで、記録データから何が見えてきましたか?

OKI_image04沖さん: 「防除履歴と所用時間など、さまざまな観点で各圃場の状況がわかりました。一番大きかったのは、作業時間の記録から人件費を確認し、収支の見直しを検討できたことです。【作業時間を何%減らせば、利益率が何%上がる】といった具体的な指標が見えてきて、年間の収支に大きく影響しました。
機械化など効率化のタイミングも検討もできますし、利益にどのように繋げるかは記録データの分析によるものが大きいです。記録をデータとして見るようになって、生産に対する意識が変わりました。」

– 記録データを活用して、経営改善につなげられているというのは、私たちもとても嬉しいです。

自身で分析できる範囲を広げつつ、将来的には誰でもデータをもとに農業に取り組めるのが理想的ですね。

– 日々の運用の中で、アグリノートは便利だなと感じる点はありますか?

沖さん: 「農薬散布など、いつ何をやったかがちゃんとわかるのは本当に助かります。圃場も作付も増えていく中で、すべて覚えておくのは難しいですし、記録が残っていて、いつでも確認できる状態には安心感があります。今は農業委員会のスケジュールなど農作業以外の業務も記録していますよ。フィルタ機能で農業委員会の予定だけを抽出できるので、書類もすぐに提出できます。あと圃場登録がバージョンアップして、簡単に登録できるようになったのは便利ですね!」

 


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– それでは今後はどのようにアグリノートを使っていきたいと考えていますか?ご要望などもお聞かせください。

沖さん: 「今は記録データの分析を井脇さんにおまかせしていますが、簡単な内容は自分でも分析したいので、データを出力して加工しなくても、アグリノート上でグラフ化されたり見られる情報が増えるといいですね。オプションとして利用料がかかっても、使いたい人はいると思いますよ(笑)。
 少し飛躍しますが、記録データは財産なので、農業自体を誰でもできるように、データが活用されるのが理想ですね。」

– 貴重なご意見をいただきありがとうございます。本日はお時間をいただきありがとうございました!

(取材:2021年12月7日)

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