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全てのスタッフが当事者意識を持ち安心・安全な農作物を届けるため、記録と情報の共有は欠かせません。

この事例のポイント!

  • 作業時間、人件費、農薬や肥料のコストまで、圃場ごとの収支を徹底管理
  • 安心・安全を徹底するため、GAP認証に即した管理を実践
  • 農場と事務所が密に連携。収量、売上など実績を共有することで社員のモチベーションが向上

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野菜・果樹・水稲などを年間切れ目なく栽培する複合経営。GAPやJAS認証を経て、昔ながらの農家から農業法人へと進化する過程には、適切な記録の管理と農場全体での共有がありました。

今回ご紹介する有限会社佐野ファーム様は、「遠州の小京都」とも呼ばれる静岡県周智郡森町にあります。
町の中心を流れる太田川の清流に恵まれたこの地で、とうもろこしや治郎柿、レタスなどを栽培する複合経営である同社とアグリノートの出会いは、それまでに使用されていたシステムのサービス終了がきっかけでした。
農産物本来の力を引き出し安全で安心なおいしい作物を作れるよう、環境に配慮した生産を行う現場でのアグリノートの活用の様子を、佐野ファーム 専務の佐野 敦子さんにお伺いしました。

作業記録だけでなく、取りためた記録をさまざまなデータとして活用できることが導入のポイントでした。

– 本日は佐野ファームさんのアグリノートの活用内容をお聞かせいただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。はじめに、アグリノートを導入するきっかけからお話しいただけますか?

「初めて知ったのは、静岡県農業法人協会さんからのご紹介でした。別のシステムを導入していたのですが、事情があって使えなくなってしまったんです。GAPの審査も迫りどうしようかという時に教えてもらったのがアグリノートでした。」

– アグリノートに速やかに移行するために、弊社の登録代行サービスをご利用いただきましたよね。

「そうです!あの時はGAP更新審査の直前でかなりヒヤヒヤしていて。それまで使っていたシステムに登録していた資材、圃場などのデータ移行をアグリノートさんにお手伝いいただき、本当に助かりました!その後アグリノートの操作説明会を開催していただいたおかげで、現場での運用開始もスムーズにできました。色々と助けていただき本当に感謝しています。」

– こちらこそ、ご利用いただきありがとうございます。ちなみに、システムを検討するにあたって、重視されたポイントは何でしょうか。

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「まずは記録のしやすさですね。そして1つ記録すると、データが共有され、紐づき、色々なデータとして活用できるシステムがいいと思っていました。正直手間はあまりかけたくないので、記録のひと手間で記録の確認・管理はもちろん、収支まで見えることがポイントでした。アグリノートはそれらが1つにまとまっていて、非常に活用できていると思っています。」

– 収支の部分までアグリノートで確認されているのですね。

「記録するだけのシステムは他にもあると思いますが、私はしっかりと収支まで見れるようにしたかったんです。社長である主人は代々の農家でしたので、農作物を作ることは上手ですが、売ることや経営のこととなるとちょっと苦手な部分もあって。その部分をシステムで補って、栽培から収支までしっかりと見えることが大切だと思いました。」

– 経営的な観点からシステム選定をされていたんですね。GAPの観点でもアグリノートを活用されているというお話でした。

「そうですね。GAP管理にも様々な記録が活用できています。ちなみにJGAPは2008年、静岡県では2番目に所得しました。その前に、静岡県独自の『しずおか農林水産物認証制度(通称:県GAP)」を、そのさらに前には有機JAS認証も取得しています。認証の取得にあたっては、農場の基礎になるマニュアル作りをはじめ、色々と大変な部分もありましたが、農林事務所の皆さんに指導していただきながら少しずつ進めて、県GAP取得で築いた基盤を元にJGAPの取得に進むことができました。」

GAP認証は安心・安全な農産物を届けるための強いこだわりの現れ。GAPの管理においてアグリノートが活用できるポイントはたくさんあります。

– 今でこそGAPの認知も上がっていますが、かなり前から意欲的にGAPを意識されていたのですね。

「農産物の安心・安全は、それらを作る生産者のとても大切な部分だと思っています。家族経営など少人数であればルールも浸透しやすいのかもしれませんが、社員やパートスタッフなど多くの従業員が関わる組織としてはルールが必要ですし、しっかりと浸透させなくてはいけないと思っていました。私たちだけで考えたルールでは足りない部分があると感じていたので、GAPなどのしっかりとした制度に準じて運営していくことが必要と思っています。」

– 独自のルールだけでは不十分と感じられていたということですね。

「特にその部分にこだわりが強くありますね。ルールとか記録をつけるとかは、代々農家をやっている人には面倒だと思うんですよね。それでも社長(代表者)しか分からないということだらけでは困ります。基準に基づきルールを整備した上でシステムを活用して、社員・パートスタッフの誰でも安心・安全な農産物を栽培するやり方を理解し、目標を持ってそれに向かっていくことが非常に大切だと思います。その記録を共有する部分でアグリノートを活用できていると感じています。」

– GAPの管理において、これは便利だと感じた点はありますか?

sanofarm_image02履歴がすぐに出せる。輪作体系が確認できる。栽培計画が作れる。データをすぐに出力できる。農薬の最新情報が出てくる。この5つの点でとても使いやすく、活用できるポイントだと思います。とても大事なところなので助かっていますね。あとは毎日カレンダーでどんな作業を誰がやったのかなど、随時確認できていることも非常にメリットが高いです。」

– ありがとうございます。先日、更新審査があったそうですが問題ありませんでしたか?

「更新審査の際には『きちんとコツコツと記録されていますね。素晴らしいです!』とコメントをいただきました。作業現場と事務担当が分担してチェックし、記録している成果だと思います。その他にも立て看板機能を使って危機管理の記録もつけていますが、内容が足りず説明を求められたので、メモ欄をもっと活用していきたいですね。」

– 少しお話しは変わりますが企業からの生産依頼のオファーも受けているとお聞きしました。

「はい。GAPやJAS認証を受け、安心・安全な農場運営を進めていくなかで、企業関連のお客様から農産物の栽培や試作といった依頼をいただいています。これも、依頼いただいた企業さんからの信頼に応えるために、いつ・どんなことを・どれくらいといった記録も、アグリノートのデータ集計を活用して提出しています。

作業現場と事務スタッフがともに記録し、確認する。スムーズで明確な情報共有がスキルと意識の向上に繋がっています。

– 記録からデータ集計まで一貫してご利用いただけているのは嬉しいですね!それでは、活用のはじめの部分である記録付けはどのようにされていますか。

「各作業部門にリーダーがいて、リーダーが中心となって会社支給のタブレットから記録を付けるようにしています。パートさんには、どこで、何を、何時間した、というような一日の作業を紙に書いて提出してもらって、リーダーがまとめてアグリノートに入力するスタイルです。
最近では、個人のスマートフォンにアグリノートをダウンロードして使っているスタッフもいます。担当する圃場数も多いので、アプリで圃場の位置確認やルートを確認したり、自主的に使っているようです。うちでは現場の作業スタッフだけではなく、事務スタッフも記録の確認や、作付ごとの栽培計画などを入力するなど管理に関わっています。

– 上手く分担して効率よく運用されていますね。

「事務スタッフはパソコンに常にアグリノートのカレンダー画面を開きながら仕事をしています。栽培計画などの入力のほかにも、パートさんから提出された作業記録がアグリノートに入力された内容と合っているかをチェックしています。これにより、現場に出ない事務スタッフも畑や田んぼの癖が分かるようになって、出荷日の予測や資材発注の精度が上がっているのを感じます。
特にGAP管理においては、農薬の管理が非常に重要で、責任者である社長や農場長の指示書がなければ、農薬を散布することはできません。アグリノートで出力した作業指示書に沿って作業を行い、終わったら作業記録をつける、事務スタッフは作業指示書と作業記録を確認するチェック体制ができています。」

– 収支が見えることを重視されているとのことですが、収支機能はどのように活用されていますか?

作業ごとの人件費や資材の利用などのコストがわかるように、作業時間、使った農薬や肥料、資材など記録できる項目はしっかり記録するようにしています。最終的に圃場ごとの収穫量も入力して収支計算につなげています。
多くの作目を栽培しているので農閑期はないのですが、作目ごとに収穫が終わったタイミングで、社長と農場長、事務スタッフを含めて反省会をしています。アグリノートの記録と収支を確認しながら、圃場ごとにしっかりと利益が出ているのか、何が良かったのか、悪かったのかを振り返る資料として使っています。
こうして『見える化』されるのは、社員のモチベーション向上にも一役買っているように思います。自分が担当する圃場は利益が出ているのか、さらに収穫量を増やすにはどうすべきか、もっと農産物の品質を高めていくにはどうすると良いのか、見返すデータがあることで社員それぞれが自主的に考えながら、より良い栽培計画を考えて実施し、それが意欲的な活動に繋がっていると感じています。」

 


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– 適切な農場管理により培ってきた安心・安全なブランドは信頼の証。県内外の生産者とのつながりを拡大していきたいです。

「壮大な話になりますね!(笑)県内外の農家さんと一緒に社員の派遣や、栽培・圃場管理などを多角的にやっていきたいと考えています。遠方にいてもアグリノートに入力された記録や情報は確認できますし、栽培指導など常に情報を共有して、実働していけると良いなと思っています。ですから、アグリノートにカメラ機能がついたり、遠隔でもリモート操作ができたり、気温が自動的に記録されるなど、新たな機能をドンドン出していってほしいですね。」

– 遠隔での栽培指導を行うのは魅力的ですね。その際はぜひ新潟にもお越しください。 ご要望をいくつかあげていただきましたが、アグリノートの不便な部分があれば教えてください。

「作業記録と収穫記録を一括で登録できるといいなと思っています。事務スタッフが記録を確認する際、収穫の作業記録はあるけど収穫記録がない、またはその逆ということがあり、ちょっと混乱することがあります。毎日行うことなので、ページの切り替え一つでもできるだけ簡潔にしてもらいたいですね。加えて、スタッフの権限もより細かく設定できると嬉しいです。
最後にもう一つ。出荷記録を付ける際に収穫記録を参照しますが、期間中すべての収穫記録が表示されるので選ぶのに時間がかかっています。時期の指定や、直近1か月くらいの収穫記録だけ出すとか、煩雑にならないような設定ができると探す手間が省けるので助かりますね。」

– ありがとうございます。ご指摘いただいた内容は社内にフィードバックします。記録から収支まで、アグリノート全体を利用されている様子をお聞きすることができ、大変参考になりました!
最後に、今後アグリノートを導入したいと思っている方々にメッセージを一言お願いします。

「アグリノートは、他の記録システムに比べとても使いやすいと感じています。価格も魅力的ですし!(笑)本当にこの値段で、この充実した機能が使えるのは満足度が高いと思います。新たな機能追加もどんどんされていきますし、サポートもしっかり対応いただけるのでこれからも安心して使っていけそうです。」

– 本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました!

(取材:2023年5月19日)

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