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125ヘクタールを誤差なく管理。アグリノート × 紙の指示書で独自の運用スタイルを作り上げました。

福井県小浜市株式会社若狭の恵

この事例のポイント!

  • 管理圃場の集約化に必須だったわかりやすい圃場マップ
  • 「作業指示書」の出力機能を活用し、独自のチェック体制を構築
  • アグリノートでの栽培管理を軸に、スマート農業の取り組みを最適化

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4つの組織を統合しゼロから立ち上がった法人が、巨大法人になるまでに採用したスマート農業の内容と選択

福井県小浜市の広大な平野を舞台に、125ヘクタールという圧倒的なスケールで水稲経営を行う株式会社若狭の恵。これまでに110名もの離農者の農地を集約し、大規模農業を推し進めるには多くの困難がありました。最大の課題は、増え続ける圃場を、いかにミスなく管理し、品質を均一化するかでした。

 今回は、アグリノートのデータを作業指示書に落とし込み、多くの圃場を少人数で対応する管理体制づくりについて、同社代表取締役の前野様にお話を伺いました。

110名の意志を継ぎ、農地を集約管理するための共通言語は「正確な圃場の地図」

– はじめに、アグリノートを導入された経緯と、法人の成り立ちについて教えてください。

「弊社が設立されて間もない2015年から利用しています。当時、地域の2つの生産組合と2つの農業法人が経営難に陥り、担い手不足が深刻な状態でした。そこで県などの経営診断を経て、これら4つの組織を一度バラしてひとつの大きな法人として再出発することになりました。

 私たちは中間管理機構の事業を活用し、地域農業者110名の方々に『農地を集約しましょう』とお願いして回りました。最終的に142ヘクタール(現在は水稲125ヘクタール)という広大な面積を預かることになりましたが、ここで最大の壁となったのが【農地管理の限界】でした。」

– 短期間で管理が必要な圃場数が爆発的に増えたとなると、場所を把握するだけでも大変ですね。

wakasa_image01「そうですね。私も当時はまだ土地勘が乏しく、どの田んぼがどこにあるのか把握するだけで精一杯で、これから数百もの圃場を管理するには、これまでの頭の中にある経験に頼るやり方では絶対に無理だと確信していました。

 そこで出会ったのがアグリノートです。スマホを開けば、正確な農地(圃場)マップとして可視化され、現在地と圃場番号が一目でわかります。うちは圃場を[Tの1番][Kの38番]といった独自の番号で管理していますが、アグリノートがあれば新人スタッフでも迷わず現場へ辿り着けます。この【共通言語としての地図】ができたことが、管理の第一歩でした。

デジタル管理とアナログ作業を繋ぐ「紙の作業指示書」

– 現場への作業指示にアグリノートを活用されていると伺いました。実践されている活用法を教えていただけますか?

「私の主な役割は、アグリノートを使って司令塔として動くことです。カレンダー画面を見て「いつ、どの圃場で、誰が、どの機械を使い、どの資材(肥料・農薬)を何袋投入するか」を緻密に計画します。単に「この作業をしておいて」と言うのではなく、アグリノートに蓄積されたデータから必要量を算出して明確にしています。記録データに基づき作業計画を立ててスタッフに指示するわけですが、あえて紙の指示書(アグリノートの出力機能による《作業指示書》)をスタッフに渡しています。実はこれが弊社の運用の肝なんです。」

– 作業予定はアグリノートのモバイルアプリでも確認できますが、あえて紙の作業指示書を併用されていると。

wakasa_image02「そうです。スマホでの入力だけだと、どうしても『実際にどれだけ資材を使ったか』という事実確認が甘くなりがちだからです。

 作業指示書には[カルパー6袋]、[種子4袋]など使用する数量が書かれています。現場のオペレーターは、実際に1袋投入するごとに作業指示書に正の字を書いてチェックします。このために紙の指示書が必要なんです。

 スタッフには、余ったら負けだ!と厳しく言っています(笑)。資材が余るということは設計通りの成分が土に入っていないということなので、これでは収量の計算も狂い、土壌分析に基づいた精密農業は成り立ちません。

 作業終了後はスタッフがアグリノートにスマホで実績を入力しますが、同時にこの正の字が書かれた作業指示書を回収して入力された記録と照合します。このダブルチェックにより、肥料や除草剤の使用量は99%、ほぼ誤差なしで実施できています。」

– 帳票形式での出力機能をうまく利用されていますね。紙の作業指示書は、ほかの工程でも使用されているのでしょうか。

wakasa_image03「はい。稲刈りシーズンはさらに厳密になります。刈り取りのオペレーターに出す作業(収穫)指示書と、これとは別に運搬トラックの運転手に専用の搬入メモを持たせます。搬入メモには、どの圃場の稲を、どのトラックで、いつ運んだかが書かれていて、それが乾燥所に渡り乾燥機の番号と紐付けられます。

 アグリノート上の記録と、このような情報が物と一緒に動くシステムによって、精米された一袋からでも[どの圃場で、誰が、いつ刈ったか]を数分で遡ることができます。この透明性の高さが、お客様や取引先からの揺るぎない信頼に繋がっていると感じます。」

多岐にわたり取り組んだスマート農業。管理の必要性から見直し経営の本質を研ぎ澄ます

– アグリノートを含むスマート農業への取り組みとして、これまでにドローンや可変施肥など、多くの先進技術に挑戦されてきたとお聞きしました。

「スマート農業を追求し、圃場ごとの蛋白(タンパク)含有量をすべて測って可変施肥を行うなど、やれることはすべてやりました。しかし、125ヘクタールという規模でそれらを永続させるには、現場の負担が大きすぎると感じました。そこで一度運用方法を見直すことにしました。

 アグリノートで作業を計画し、紙の作業指示書と合わせて実績を担保するという運用は、単なるスマート農業の導入ではありません。現場が確実に実行できて、且つ経営者が100%の自信を持って結果を保証できる、必要十分な管理システムだと思います。」

– 記録を管理し、運用するツールとして評価いただき、とても嬉しいです!

「農業法人の経営において最も恐ろしいのは、なんとなくの感覚で進むどんぶり勘定です。アグリノートで場所と数字を固定し、指示書で現場を動かせているのは、この10年蓄積された記録があるからこそだと思います。だから私たちは、次の10年も地域の農地を守り続けることができます。

 現場のスタッフには、これからも指示書通りに作業を実施し、チェックすることの重要性を伝え続けたい。それが結果として、最高の品質と自分たちの仕事への誇りに繋がるからです。アグリノートは、私たちのこだわりを形にするために、なくてはならないパートナーですね。」

– 力強いコメントをいただき、ありがとうございます!本日は貴重なお話しをありがとうございました。

(取材:2025年8月26日)

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